我が家の庭には、たくさんの鉢植えがあります。地植えにしている植物もあり、すずらんやホタルブクロ、水引草、ヤブラン、ヤブコウジ、カレックス、鳴子百合などが、毎年庭のあちこちからにぎやかに顔を出します。
夏のある日、植物の世話をしようと庭に出たところ、愛犬のために敷いた人工芝マットの上を見てびっくりしました。

オオタカがスズメを食べていたのです。
足元にはむしられた羽と血があり、オオタカは鋭い目で私を睨んでいます。
私は、オオタカを見つけた姿勢のまま動けずにいました。
「スマホを持ってきたら良かったな」
そんな呑気なことを考えながらも、あまりの迫力に怖気づき、少しずつ後ずさりして玄関に入りました。
我が家には猛禽類の剥製が飾ってあります。確か、叔父からいただいたように記憶していますが、生きた猛禽類は、自然界のハンターとしての躍動感がみなぎっていて、剥製とは全く違いました。
オオタカが去った後
数分後、庭に出てみましたが、オオタカはすでに飛び去った後でした。
辺りに残された羽と血を見て、恐ろしさを感じずにはいられませんでした。
スズメが一羽も来なくなった
実は、この件はこれだけでは終わらなかったのです。
我が家には、朝から夕方までスズメが入れ代わり立ち代わりやって来て、チュンチュンとにぎやかに鳴いていました。

雨の日は雨戸のレールにとまり、晴れの日は木々の間を行ったり来たり。一日中、スズメたちの声が聞こえていました。
しかし、この一件以来、スズメが一羽も来なくなったのです。
一羽もです。
あの日、ほんの数分、我が家の庭でオオタカがスズメを捕食した、その出来事が、何らかの形でスズメたちに伝わったのではないか。そう思えてならないのです。
実際にどういう経緯でスズメが来なくなったのか、知る由もありません。
それでも、30年続いてきた、朝から夕方までスズメたちがチュンチュンと鳴いている光景を、再び見る日が来ることを願っています。


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