工夫の原点は父

親との暮らし

庭仕事にしろ、家事全般にしろ、趣味にしろ、私はやり方を1から人に教えてもらうのが、あまり好きではありません。

もちろん、最初は何から始めたらよいのかわからないので、調べたり、時には動画を見たりして、とっかかりを得ます。

次に、使えそうな材料がないか、100均やホームセンターに探しに行くのです。

庭仕事では、最近、コガネムシ避けの小型ハウスを作りました。

今までは、地面にあらかじめ穴を開けてアーチ支柱を差し込み、ハウスを作っていましたが、1年も経つと傾いてしまいます。今回はしっかりした小型ハウスを作ろうと調べてみたところ、旗立ブロックがよさそうに思えました。

さすがに旗立ブロックを1から作るわけにもいかず、かといって、1つのハウスに8個も買うのはちょっと……。何日も代わりになるものを考え続けました。

とにかく役立つ材料がないか見てみようと、ホームセンターへ行きました。旗立ブロックはたくさん販売されていましたが、塩ビパイプを差し込む部分が浅いものや、小型ハウスの土台にするには大きすぎるものばかりでした。

その横に、予備の塩ビパイプが置いてありました。塩ビパイプなら安いはず。そう思い、庭に作るハウスを想像しながら眺めていたら、パッとひらめいたのです。

小型ハウスなのだから、塩ビパイプを直接地面に差し込めばいいんだ!

ホームセンターでアーチ支柱と塩ビパイプを、100均で防風ネットを購入し、早速、頭の中の設計図どおりに組み立て始めました。

素人が勘を頼りに頭の中で描いた設計図をもとに、材料を選んで作るのですから、うまくいくこともあれば、計算違いもあります。今回は設計図どおりにできたので完成です。うまくいかなかったときは、また2日ほど考えて改良案を見つけ、100均やホームセンターへ材料を探しに行きます。

家事では、洗濯物の部屋干しの臭いが気になり始めたときに、どうしてだろうと考えました。

洗ったときには臭わないのに、部屋で干して乾かすと臭う。コインランドリーでは短時間で洗い、短時間で乾かすので臭わない。ということは、原因の1つは乾燥時間かもしれない、と思いました。

さすがに乾燥機を作るわけにもいきません。今使っている縦型洗濯機を処分して、乾燥機能付きの縦型洗濯機を買うのも違うような気がしました。

そこで、家電量販店へ行き、洗濯物を乾燥させる家電を探していると、ガスファンヒーターくらいの大きさの衣類乾燥除湿機を見つけました。

その前に立ち、我が家ならどこに置いて洗濯物を乾かそうかと考えました。乾かすなら、広い部屋よりも狭い空間のほうが湿気を取りやすいだろう。そう考えて、水屋を置いてパントリー代わりにしている1畳半の小部屋に置くことに決め、この衣類乾燥除湿機を購入しました。

それ以来、雨の日は衣類乾燥除湿機を使って部屋干ししていますが、嫌な臭いがしたことは一度もありません。

数年前から、2〜3か月ごとに実家に泊まり込みで片付けをしています。結婚以来、こんなにゆっくり両親と話したり、一緒に作業したりすることはありませんでした。そこで改めて、父の器用さに驚くばかりです。

趣味で始めた畑には、農機具や肥料を入れる小屋と、腐葉土を作る竹製の箱がありました。

遊びに来る家族の車を敷地に入れられるように、道路沿いの壁を一部取り壊し、1本60kgもある鉄の柱を購入して、自分で加工し、門扉を作っていました。

「このようにしようと、頭の中で設計図を作るの?」

そう聞くと、父はこう答えました。

「ここに門扉があったら便利だなと思って、1から設計図をひいて、寸法をきちんと決めてから材料を購入するんだよ」

さすが父だ。規模は違えど、私のように頭の中だけで設計図を描くのではなく、図面を起こしてから材料を買うのか。

「既製品は探せば売ってるけど、1から作ればぴったりなのができるんだよ」

もう、おっしゃるとおりです。

その話を横で聞いていた母は、こう言いました。

「でも、あなたの工夫はお父さん譲りよ。買ったら早いのに、1から教えてもらったほうが早いのに、ああでもないこうでもないと、じっくり考えて行動するじゃない。私には到底真似できないから、やっぱりあなたはお父さん似よ」

うれしいけれど、父の足元にも及ばないことは百も承知です。ちょっとだけ似ているかも、くらいにさせてもらいましょう。

父は、いつ会っても何かを作ろうとする意欲にあふれています。

私も父を見習って、工夫する心を忘れずに、頭の中に描いた設計図を、実際の材料を使って形にしていきたいと思います。

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